基本知識

STEP5 移動平均線を極める!

株式投資のテクニカル分析における移動平均線の意味と手法:日足、週足、月足

株式投資において、テクニカル分析は過去の株価や取引量のデータに基づいて将来の値動きを予測する重要な手法です。数多くのテクニカル指標の中でも、移動平均線は最も基本的かつ広く利用されている指標の一つであり、相場のトレンドを把握し、売買のタイミングを探る上で不可欠なツールとされています。

株式投資のテクニカル分析で用いられる移動平均線について、日足、週足、月足それぞれの意味合い、具体的なテクニカル分析手法、そしてそのメリットとデメリットについて詳細に解説します。

移動平均線の基礎

移動平均線とは

移動平均線とは、一定期間における株価(通常は終値)の平均値を算出し、それを線で結んだものです。

この線を見ることで、市場のトレンドの方向性や、 売買のタイミングを視覚的に捉えることができます。

移動平均線は、日々変動する株価の動きを滑らかにし、その根本的な方向性や価格の転換点を見やすくする役割を果たします。

株価の短期的な変動に惑わされることなく、より大きな流れを把握するのに役立つため、多くの投資家にとって重要な指標となっています。

移動平均線の種類

移動平均線には、計算方法の違いによっていくつかの種類が存在します。代表的なものとして、単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)、加重移動平均線(WMA)が挙げられます。

単純移動平均線(SMA) は、一定期間の株価を単純に平均したものです。例えば、5日間のSMAであれば、過去5日間の終値を合計し、それを5で割ることで算出されます。SMAは、一定期間の平均的な株価の動きを示すため、トレンドの基本的な方向性を把握するのに適しています。

指数平滑移動平均線(EMA) は、直近の株価に重きを置いて計算される移動平均線です。最新の価格変動をより強く反映するため、SMAよりも株価の動きに敏感に反応し、トレンドの転換を早期に捉えやすいとされています。

加重移動平均線(WMA) も、一定期間の株価に対して、新しいデータほど大きな比重をかけて計算されます。EMAほどではありませんが、SMAよりも直近の価格動向を重視する傾向があります。

私は、単純移動平均線を使用します。

一般的な期間設定

移動平均線を分析に用いる際、どの程度の期間で平均値を計算するかという設定が重要になります。一般的に用いられる期間は、分析する時間軸によって異なります。

日足チャート では、短期的なトレンド分析には5日、中期的なトレンド分析には20日、60日 の移動平均線を使用します。

週足チャート では、中期的なトレンド分析のために5週、20週、60週の移動平均線を使用します。

月足チャート では、長期的なトレンド分析のために5ヶ月、20ヶ月、60ヶ月の移動平均線を使用します。

市場は、1週間に5日間取引が行われており、1ヶ月で約20日間、3ヶ月で60日間であるので、5,20,60の移動平均線を使うようにしています。

移動平均線の解釈

トレンドの把握

移動平均線は、株価のトレンドを把握するための基本的なツールです。

一般的に、移動平均線が上向きに推移している場合は上昇トレンド、下向きに推移している場合は下降トレンド、そして横ばいに推移している場合は方向感のないもみあい局面であると判断されます。

移動平均線の傾きが大きいほど、そのトレンドの勢いが強いことを示唆します。

ただし、短期の移動平均線が下降トレンドを示していても、長期の移動平均線が上昇トレンドを示しているといった場合もあるため、分析する期間に応じた判断が求められます。

株価と移動平均線の関係

株価と移動平均線の位置関係も、相場の強弱を判断する上で重要な要素となります。

一般的に、株価が移動平均線の上側にある場合は強い相場、下側にある場合は弱い相場と見なされます。

また、足元の株価が移動平均線よりも高ければ上昇傾向、低ければ下落傾向にあると判断できます。

株価が移動平均線から大きく乖離した場合、それは売買のタイミングを示唆する可能性があります。

一般的に、株価が移動平均線から一定以上離れると、その後に価格が移動平均線の方へ戻る傾向があると考えられています。

この乖離の度合いを数値化したものが移動平均乖離率であり、買われすぎや売られすぎといった市場の過熱感を測る指標として利用されます。

さらに、移動平均線は株価にとっての上値抵抗線や下値支持線として機能することが多く見られます。

株価が上値抵抗線となっていた移動平均線を上抜けると、その移動平均線は今度は下値支持線に変化しやすいという傾向があります。

移動平均線を用いたテクニカル分析手法

単一移動平均線

単一の移動平均線だけでも、相場のトレンドを把握し、売買の判断に役立てることができます 。移動平均線の向きを見ることで、現在の相場の方向性を判断できます。

短期線が上向きであれば短期的な上昇、長期線が上向きであれば長期的な上昇を示唆します。下降トレンドの場合も同様です。

また、株価と移動平均線の位置関係を見ることで、相場の強弱を判断することができます。

複数移動平均線

複数の期間の異なる移動平均線を組み合わせることで、より高度なテクニカル分析が可能になります 。

ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロスとデッドクロスは、短期移動平均線と長期移動平均線の2本を用いて、トレンドの転換点を探る代表的な手法です。

ゴールデンクロス は、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜ける現象で、一般的に上昇トレンドへの転換を示す買いサインとされます。

一方、デッドクロス は、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜ける現象で、下降トレンドへの転換を示す売りサインとされます。ゴールデンクロスとデッドクロスは、特に日足チャートでの活用が推奨されています。

ただし、これらのサインは安値圏でのゴールデンクロス、高値圏でのデッドクロスの方がより有効性が高いとされています 。

移動平均線大循環分析

移動平均線大循環分析は、短期・中期・長期の3本の移動平均線の並び順とその方向性に着目して、トレンドを分析する手法です。

買いのエッジがある状態として、短期線、中期線、長期線の順に上から並び、かつ3本とも右肩上がりである「パーフェクトオーダー」が知られています。

逆に、売りのエッジがある状態としては、長期線、中期線、短期線の順に上から並び、3本とも右肩下がりである状態が挙げられます。

線のクロスによって並び順が変化する過程を分析することで、トレンドの強さや持続性を判断します。

移動平均線のメリット

移動平均線は、テクニカル分析において多くのメリットを持つため、広く利用されています。まず、相場のトレンドを視覚的に把握しやすい。

線の向きを見るだけで、上昇トレンドか下降トレンドかを判断できるため、初心者にも扱いやすい指標です。

さらに、移動平均線は株価にとっての上値抵抗線や下値支持線として機能することが期待できるため、これらの水準を意識した取引戦略を立てることが可能です。

移動平均線のデメリットと限界

一方で、移動平均線にはいくつかのデメリットと限界も存在します。最も大きなデメリットとして、株価の動きに遅れて反応する(遅行性がある)点が挙げられます。

特に短期的な価格変動には対応しにくく、相場の転換点を正確に捉えるのが難しい場合があります。

また、移動平均線を用いた分析では、ダマシと呼ばれる誤った売買シグナルが発生する可能性も少なくありません。

例えば、ゴールデンクロスが発生しても、その後すぐに株価が下落に転じるといったケースがあります。

さらに、移動平均線はトレンドが明確な相場では有効に機能しやすいものの、株価が一定の範囲内で上下を繰り返すレンジ相場では、売買シグナルが頻繁に発生し、有効な判断が難しくなる傾向があります。

また、移動平均線が示すトレンドが、必ずしも自身の投資方針と合致するとは限りません。

一般的に、短期線は価格変動に敏感である反面、ダマシが多く、長期線はダマシが少ないものの、相場に対する反応が遅れるという特性があります。

メリット・デメリットをうまく活かして使い分けましょう。

時間軸ごとの移動平均線の活用

日足

日足チャートにおける移動平均線は、短期から中期的なトレンド分析に広く利用されます。短期的な売買判断には5日や20日移動平均線 が、中期的なトレンド把握には60日移動平均線を使用します。

週足

週足チャートの移動平均線は、中期的なトレンド分析に役立ちます。

週足におけるゴールデンクロスやデッドクロスも、中期的なトレンド転換のサインとして利用されます。

週足チャートは、日足チャートよりも長期的な視点でのトレンドを把握するのに適しており、長期投資を行う上で重要な判断材料となります。

月足

月足チャートの移動平均線は、長期的なトレンド分析に用いられます。長期の移動平均線を用いることで、数年単位の大きなトレンドを把握することができます。

月足チャートは、短期的なノイズを排除し、長期的な投資判断を行う上で非常に重要です。

ただし、ゴールデンクロスやデッドクロスといった売買サインは、週足や月足といった長い期間で分析する場合には、株価の動きに対する遅れが大きくなる可能性があるため注意が必要です。

他のテクニカル指標との組み合わせ

移動平均線は非常に有用なテクニカル指標ですが、その弱点を補うために他の指標と組み合わせて利用することが推奨されます。

例えば、移動平均線はトレンドを把握するのに有効ですが、レンジ相場での売買判断には適していません。

このような場合に、RSI(相対力指数)のようなオシレーター系の指標を組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。

複数のテクニカル指標を組み合わせることで、単独で用いるよりも信頼性の高い売買シグナルを得ることが期待できます。

CTAサンプル

これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。